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【株式会社設立】

新会社法とは


新会社法は、商法第二編「会社」「有限会社法」「商法特例法」これら会社に関する法律の統一性と整合性を図るために、新会社法として1つの法律にまとめて再編したものです。

それに伴い「有限会社法」は廃止され、新たに有限会社を設立することはできなくなります。

これまでも商法の改正はたびたび行われてきましたが、今回の新会社法の施行は、会社法制を全面的に見直す大改正となっています。また新会社法は、今までのカタカナ文語体から、ひらがな口語体の表記となり、よりわかりやすいものとなりました。

新会社法の基本的な考え方は、「規制緩和」「事前規制から事後規制へ」「定款自治の拡大」です。従来までの株式会社への過剰な規制の見直しや定款に記載できる事項を大幅に増やすなど、現在の企業の実態を踏まえ、より起業を促進するための改正がなされています。 
 

1.有限会社が株式会社へ統合

新会社法施行後は、株式会社と有限会社が統合されて全て株式会社となり有限会社を新設することができなくなります。

新会社法施行前に設立された有限会社には2つの選択肢があります。

1つは、そのまま有限会社と名乗る株式会社(この会社を「特例有限会社」といいます)として存続し続ける方法。もう1つは、株式会社に組織変更する方法です。

有限会社のままでいる場合、定款の変更や登記など特に手続きは必要ありません。

有限会社の商号の使用も引き続き認められます。

特例有限会社は、新会社法上は株式会社と同じように分類されますので、社員は株主、社員総会は株主総会とみなされます。
  
 

2.最低資本金規制の撤廃

会社を設立する際の最低資本金(株式会社1000万円、有限会社300万円)が新会社法では創業促進の観点から撤廃され、1円の資本金からでも株式会社が設立できるようになりました。 
 
 

3.商業登記の柔軟化


同じ市町村において他人が登記した商号を同種の営業について登記することを禁止していた類似商号規制が廃止されます。また、「会社の目的」について、具体的な記載や語句などに制約がありましたが、基準が緩和されて包括的な記載が可能になりました。 
 
 

4.払込金保管証明制度の一部廃止

発起設立により会社を設立する場合、株式の払込みについて金融機関から払込金保管証明書を発行してもらう必要がありましたが、新会社法では、これが不要となり払込があることの証明手段として残高証明でも足りることになりました。
  
 

5.機関設計の柔軟化

 
従来の株式会社は、取締役と監査役は必ず設置しなければなりませんでした。また取締役3人以上(任期は2年)監査役1人(任期は4年)という規制がありました。
その結果、名目的に取締役、監査役を設置する株式会社が多数存在しました。
新会社法では、株式譲渡制限会社について、創業時は最低限の機関設計のみを定め企業の成長段階に合わせた柔軟な機関設計が可能になりました。
具体的には、取締役を1人置けば取締役会、監査役、監査役会は設置しなくてもよくなり、取締役、監査役の任期は定款で定めれば最長10年まで伸長することが可能です。
 
 
株式譲渡制限会社の機関設計例

1 : 取締役のみ
2 : 取締役 + 監査役
3 : 取締役 + 会計参与
4 : 取締役 + 監査役 + 会計参与
5 : 取締役会 + 監査役
6 : 取締役会 + 会計参与
7 : 取締役会 + 監査役 + 会計参与

 

 
 

6.会計参与制度の新設

 
従来、中小企業にとって会計監査と業務監査の双方を義務づけられる監査役を確保することは困難でした。新会社法では、主に会計監査人が設置されていない中小会社に対し、税理士、公認会計士が取締役と共同して計算書類の作成を行うことにより、中小企業の会計に関する正確性、信頼性、精度等を会社の内部機関から高めることが目的で会計参与制度が新設されました。
会計参与の選任方法は、取締役と同じように株主総会で選任され任期、報酬等も取締役の規定に従い登記事項となります。
会計参与制度は任意の制度ですが、取締役会を設置した会社では会計参与を置くことで、監査役に代えることが可能です。
  
 

7.合同会社(LLC)制度の新設


新会社法では、合同会社という会社形態が新設されました。この制度は、アメリカで発展したLLC(Limited Liability Company)に相当する会社で、日本語に訳しますと「有限責任会社」となり、日本版LLCと呼ばれています。
合同会社の最大の特徴は、人を基本とした「人的会社」でありながら「有限責任」であることです。
「人的会社」とは、合名会社のように出資者自ら経営に携わる会社のことです。
また、「有限責任」とは、株式会社のように出資者は会社の持つ債務(借金)に対しては、出資額までしか責任を負いません。
合同会社は、合名会社の「人的会社」と株式会社の「有限責任」の双方の特徴をあわせもつ制度といえます。
利益の配分は、出資比率とは無関係に行うことができます。さらに、社員全員の同意があれば株式会社に組織変更することが可能です。
合同会社の出資者は、有限責任でありながら、深く経営に関与することができるのです。
 
 

「柔軟な機関設計により会社をスリム化」

名目的な取締役、監査役が不要になり、報酬などのコスト削減が可能となる。
取締役会を設置しないことで迅速な意思決定が可能となる。
役員の変動が当分の間見込まれない会社では、定款で定めることによって、取締役監査役の任期を延長(最長10年)することにより、再任手続きに係る負担を削減することができる。
 

「会計参与の導入により信頼の向上」

会計参与を導入することにより、計算書類に対する信頼性を向上させ金融機関からの融資を受けやすくする。
会計参与を設置することにより監査役の設置は不要となる。

【主な業務内容】